油断をしないために その1
○○をすると、油断しなくなる
子供の頃から、片付けが苦手、掃除が嫌いでした。後からやる、そんなに汚れてないじゃん!とよく親に刃向かっていたものです。
しかし、ある時から片付けも掃除も人生において必要なものであるという経験がありました。
前職で、自社の商品カタログを制作する部署でグループリーダーをやらせていただいておりました。
部下のディレクションをチェックするのが私の役目ですが、ある時誤字を見過ごしたまま印刷してしまったのです。
しかも価格。しかも1万部印刷。これはもう取り返しつかないことですので、カタログは回収。猛省しました。
しかし、なぜあれだけチェックを何度も重ねていたのに気づけなかったのか。その要因をずっと探っていました。
そんなある時、イラク復興業務支援隊長を務めた元自衛官、ヒゲの隊長こと佐藤正久さんが出演しているテレビ番組を見ていたら、まさに私にヒントを与えてくれたかのような言葉がありました。
それは「人間は身の回りが汚れていたり、不潔にしていたりすると心に隙を生む。だから自衛隊の野戦キャンプでは、足でも構わないので必ず洗わせてから就寝させる。これをやらないと夜襲されたら一寸で全滅する」。
あ!これだ!この隙が自分の油断だ。
この言葉を知った翌日から毎朝、グループの全ての机を私が掃除するようにしました。自分の机くらい自分で掃除するのが当然だろう。そう思われる方もいらっしゃると思いますが、この朝の掃除は、もう二度と同じ過ちを犯さないための祈りと、心に隙を生ませないこと、部下が毎日出社してきてくれて仕事をしてくれることへの感謝をこめた行為として行っています。この結果かどうかはわかりませんが、ミスはなくなりました。
油断はまさに大敵です。気持ちが緩んで隙ができること自体、気づきにくいものです。
今でも掃除は時々ですが、しています。この時々がまた油断を生みそうで怖いものですが、時間を作って掃除を心がけたいと思います。